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さいたま美術展<創発>プロジェクト/Saitama Resonant Exhibitioins Project
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埼玉における美術活動の有機的な連携を目指して、松永康が、随時その状況について思うことを書き連ねてゆきます。
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 ところで、これは余談だが、アトリアに行くとよく子どもの姿を目にする。そのこと自体はよいのだが、問題は、彼らが気軽に展示作品に触ろうとすることだという。アトリアは場所がら、造形教育の場としての機能を重視しており、子どもたちの創造性を培うためのワークショップをしばしば実施している。そのため、子どもたちにとってアトリアは、作品鑑賞の場というより創作の場というイメージが強いのだと思う。そうした状況に対し宮川さんは、作品の展示施設では、作品の見方をまず第一に教えるべきではないかと疑問を呈する。
 今日の公共の美術施設の中で、子どものための造形プログラムを実施していないところはない。どこでも何かしら、子ども向けのワークショップが開かれている。その中でも特に問題となるのは、鑑賞のための場と創作のための場が近接している施設である。そこでは、子どもたちの意識の中で、作品を見ることと作ることがうまく切り替えられないのだ。そのため、アトリアのように限られたスペースでその両立を目指さなければならない場合、さまざまな矛盾が起きてくる。
 明治以降、西洋からもたらされた「美術」は、社会制度として日本国内に根づいていった。一方、戦後になると、個性重視の教育制度を通して、子どもたちの創作の中に新たな芸術性が見出されるようになった。しかし、同じ「美術」という言葉が当てられてはいるが、実は、これらはまったく別な機能を有しているのだ。
 鑑賞のための教育施設と創造のための教育施設は、いずれ分けられていくと思う。それまでの間、この二重基準をどのように調整していくかが、公立の美術施設に課される問題となるだろう。(おわり)
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