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さいたま美術展<創発>プロジェクト/Saitama Resonant Exhibitioins Project
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埼玉における美術活動の有機的な連携を目指して、松永康が、随時その状況について思うことを書き連ねてゆきます。
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戦後の日本は大方、上り坂の経済成長を果たしてきた。同じ勤務場所で一生仕事に打ち込むことのできる終身雇用制は、そのための大きな推進力となった。ところが経済成長の止まった今、多くの人々が失業の憂き目にあい、また多くの若者が就職難にあえぐという時代になった。長い間の習慣から、終身雇用制の枠に入れなかった人間は安定した生活を送ることができないといまだに信じられているようだ。
一方でバリでは、終身雇用制自体がほとんど成立していない。それにもかかわらず、異なる立場の人間がそれぞれ自律的に活動しながら、それらすべてが有機的に連関を持って循環しているように見えた。そしてその背後には、有形無形の贈与財が渦巻いていた。
日本にもかつては、地域社会の中にさまざまな慣習があり、そこを通して贈与の循環があった。ところが戦後、そうした枠はことごとく壊され自給自足が推し進められた。そこでは自分で稼ぎ、できるだけ貯蓄して無駄に使わないことがよしとされた。働いていない者に分け与えるなどもっての他だ。余剰があれば、自分の楽しみのためだけにこっそりと使うのが美徳である。
ところが、低賃金を強みとして外需を拡大させてきた日本経済も、中国をはじめとするアジア各地の新興国にその座を奪われ瀕死の状態となった。あたかも個々人が自律的に行っているように見えた経済活動は、実は発展し続ける外需産業の上でかろうじて成り立っていたのだ。不況の長期化は、その構造をうまく転換できなかったことの結果だろう。外需の欠損を補うはずの内需産業もまた、すでに充分に機能しなくなっている。
日本が経済の低迷から立ち直れるかどうかはおそらく、企業に集中していた生産活動を個人に配分していけるかどうかにかかっていると思う。言い換えれば、既得権益を減らしてでも他に仕事を回すことのできる精神的余裕を、業界人が持てるかどうかである。仕事もまた放っておくと、仕事のあるところに集中していくものなのだ。経済活動の大枠というのは、企業レベルではなく社会全体として捉えなければならない。
日本を除く多くの国には、いまだにチップという習慣がある。何かをしてもらったとき、当然のごとくいくらかの金銭を渡すという文化である。インドなどではあまりの強引さに辟易することがあるが、その点バリの人々は、バイクの運転や観光地のガイド等、自分にできることを活かしながらわずかずつのお金を得ていた。
さらにそれは人と人の間だけに限らない。朝、街を歩くと道のあちこちにチャナンと呼ばれる供え物が置いてある。いちおう神に捧げるものだそうなのだが、実際には鳥や野良犬が食べ、その残りを虫たちが食べている。要するに、すべてを人間が食い尽くしてしまうのではなく、得たものの一部を必ず必要としている者たちに回しているのだ。
「Marketing 3.0」。商品開発でもなければ消費者開発でもない、人間を開発するという第三のマーケティング。マーケティングというものを広い視野で捉え、そのシステムを壊すことなく中身を入れ替えることで再生を図る。経営学の新たな方法論を求め続けるコトラー氏が行き着いた第三の地、それがバリであったことに私なりの理由が見えてきた気がした。(おわり)
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TITLE > 無題
同感です。今、関わっている旧藤沢宿でも必要なのは互いに恵みの輪が広げるこうした精神性です。
NONAME URL 2011/06/24(Fri)02:02:37 #EDIT
TITLE > コメントありがとうございました。
文字通り「互恵性」ですね。
NONAME 2011/06/24(Fri)10:28:58 #EDIT
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