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さいたま美術展<創発>プロジェクト/Saitama Resonant Exhibitioins Project
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埼玉における美術活動の有機的な連携を目指して、松永康が、随時その状況について思うことを書き連ねてゆきます。
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「つながりしもの」ギャラリー遊動天都、 9月14日(月)~30日(水)

 早川聡子さんは長く浦和に住んでいた。たまたま北本に来る用事があり、そのときここの自然観察公園にも立ち寄った。そして、このような恵まれた環境の中で子育てをしたいと思うようになった。その思いはついに2002年に実現する。
 早川さんは東京藝術大学日本画科の出である。在学中、野口三千三氏に出会い、野口体操を知った。それからというもの、野口氏の言葉から触発された表現を次々と実践するようになる。ライフワークの中でエネルギーを蓄える。人々との関わりを通してそのエネルギーを送り出す。自己というのは決して完結したものではなく、常に関係の中で活かされているのだ。そこには、重力を利用することでしなやかな動きを身に付けていくという、野口体操の真髄がある。
 早川さんは一貫して和紙を使って制作してきた。私が訪ねたとき、ギャラリーには和紙を編んだ作品のシリーズが飾られていた。和紙といっても、最終的にそこにはほとんど原形が残らない。それらが完成に至るまでには、想像を絶する制作工程が秘められている。
 まず和紙一面に般若心経を書いていく。それを細長く切り無数の紙の帯を作る。次に1本1本を手で縒り、紐状にして柿渋で染め、最後に特製の編み棒を使って延々と編んでゆく。するとそこから、このような人体状の造形物や巨大な懸垂幕が立ち現れてくる。
 2004年、近くの借家から現在の家に移った。近所の人たちを集め、ここで絵画教室も始めた。間もなく家のすぐ前の空き地に目が止まった。そしてそこに、今度は自分のギャラリーを建てたいと思うようになった。これまで作り続けてきた作品たちと、しっかり向き合える場がほしかったのだ。
 ギャラリーができてからは、教室もこちらで行うようになった。9月の展覧会では、これまで制作してきた和紙の作品の何点かが並ぶ予定だ。ここを子どもたちの集まる場にしたい。そして大人たちが集える場所にもしたい。和紙は人の心を癒し、包み込んでくれるに違いない。将来は自分の作品だけでなく好きな作家の作品も併せて展示してゆきたいと、早川さんの想いは止まるところを知らない。

(090722取材)

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