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さいたま美術展<創発>プロジェクト/Saitama Resonant Exhibitioins Project
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埼玉における美術活動の有機的な連携を目指して、松永康が、随時その状況について思うことを書き連ねてゆきます。
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前掲の「そして物語は始まった」で紹介した「蔵と現代美術-響きあう空間-展」に、吉田富久一氏が「あたらしい水 竜の囁き」という作品を出品した。それに関連し、同氏の活動に関するコメントを『社会芸術vol.2「東西見聞録 創造性の根源を考える」』に寄稿した。その文章をここに転載させていただく。
  

 
2011年11月、川越市内で何軒かの蔵を使った「蔵と現代美術」展が開かれた。ここに参加した吉田富久一は、長谷川千賀子や矢萩典行らとともに「あたらしい水 竜の囁き」というインスタレーションを制作した。彼らの会場となった林家川魚店は、狭い間口と深い奥行きを特徴とした典型的な町家建築だ。通りに面した食堂の奥に調理場があり、その先に中庭、そしてさらにその向こうに土蔵がある。
この中庭に1メートルほどの長さの竹炭が数十本、天井から規則正しく吊るされた。竹炭を伝って降りてくる水は下の受け皿に溜り、そこを透過してさらにその下の陶器に貯えられる。貯まった水は傍らに置かれた水琴窟に注いで音を聴くこともできるし、沸かしてお茶にしていただくこともできる。
作品を構成する各部分はそれぞれに作者が異なる。竹炭を焼いたのは吉田と長谷川で、水受けと水琴窟は長谷川が作った。水を流すための装置は吉田が架設し、湯呑の器は矢萩の手による。吉田はこれまでも、作品を自分の創作物として見せるのではなく、複数の作者の作品を組み合わせることでひとつの空間表現として提示してきた。個々の造形物はそれぞれ完結した用途を持っているにもかかわらず、そこに立ち会った人々はその連鎖を追いながら物語の展開を読み取っていくわけだ。(つづく)

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